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2006年10月26日 (木)

作家の力量(続き)

文庫版 姑獲鳥の夏

文庫版 姑獲鳥の夏

一昨日の続きです。

本作品は導入部分で妖怪についての説明を行っていますが、その説明の際に、量子論を例に出して説明を加えています。

妖怪を説明するのに量子論です。

簡単にまとめると、観測してみなければどこに量子が存在するかということが確定できないという量子論の概念を使って、だから、妖怪をリアルに見たり感じたりできない(観測行為ができない人)にとっては、妖怪など存在しないが、リアルに見たり感じたり出来る人(観測行為が出来る人)にとっては、その妖怪が確かに存在する。

という説明です。

ある特定の妖怪がどこに存在するのかという質問は、ある量子がどこに存在するのかという質問と同じくらい、答えにくい質問だと理解しても良いのかも知れません。

なぜなら、観測してみないと分からない、というのが答えだからです。

もちろん、妖怪を見ることが出来る人は現在では非常に限られているはずですが、量子を観測できる人は多分非常に多いだろうという違いはありますが。

そして、この観測行為(見るという行為)が本作の事件を解決するヒントになっており、また、観測行為自体が対象(事件)に影響を与えてもいるのです。

すごい伏線でした。

星5つのお勧めです。

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